薬効分類名:排尿障害改善剤・降圧剤
貯法:室温保存
規制区分:指定医薬品
15mg錠について
組成:1カプセル中にウラピジル15mgを含有する。なお、カプセル本体に添加物としてラウリル硫酸ナトリウムを含有する。
性状:白色の硬カプセル剤である。
外形:5号カプセル
識別コード:KC155
貯法:室温保存
30mg錠について
組成:1カプセル中にウラピジル30mgを含有する。なお、カプセル本体に添加物としてラウリル硫酸ナトリウムを含有する。
性状:白色の硬カプセル剤である。
外形:4号カプセル
識別コード:KC154
一般的名称:ウラピジル
禁忌(次の患者には投与しないこと)
本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
効能又は効果/用法及び用量
本態性高血圧症、腎性高血圧症、褐色細胞腫による高血圧症:通常成人には、ウラピジルとして1日30mg(1回15mg1日2回)より投与を開始し、効果が不十分な場合は1〜2週間の間隔をおいて1日120mgまで漸増し、1日2回に分割し朝夕食後経口投与する。 なお、年齢、症状により適宜増減する。
前立腺肥大症に伴う排尿障害:通常成人には、ウラピジルとして1日30mg(1回15mg1日2回)より投与を開始し、効果が不十分な場合は1〜2週間の間隔をおいて1日60〜90mgまで漸増し、1日2回に分割し朝夕食後経口投与する。 なお、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は90mgまでとする。
神経因性膀胱に伴う排尿困難:通常成人には、ウラピジルとして1日30mg(1回15mg1日2回)より投与を開始し、1〜2週間の間隔をおいて1日60mgに漸増し、1日2回に分割し朝夕食後経口投与する。 なお、症状により適宜増減するが、1日最高投与量は90mgまでとする。
使用上の注意
慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
1.肝機能障害のある患者[肝硬変の患者で代謝・排泄の遅延が報告されている。また、肝機能障害のある患者において、副作用が発現しやすい傾向が認められている。]
2. 高齢者[「高齢者への投与」の項参照]
重要な基本的注意
1. 起立性低血圧があらわれることがあるので、臥位のみならず立位又は坐位で血圧測定を行い、体位変換による血圧変化を考慮し、坐位にて血圧をコントロールすること。
2. 本剤の投与初期又は用量の急増時等に、意識喪失、立ちくらみ、めまい、悪心、心悸亢進、胸部不快感等が発現することがある。特に前立腺肥大症に伴う排尿障害患者では投与初期又は用量の急増時の3日以内に立ちくらみがあらわれることがある。その際は仰臥位をとらせるなど適切な処置を講ずること。また、必要に応じて対症療法を行うこと。
3. 本剤の投与初期又は用量の急増時等に、起立性低血圧に基づく立ちくらみ、めまい等があらわれることがあるので、高所作業、自動車の運転等危険を伴う作業に従事する人には注意を与えること。
4. 本剤による前立腺肥大症に伴う排尿障害に対する治療は原因療法ではなく、対症療法であることに留意し、本剤投与により期待する効果が得られない場合には手術療法等、他の適切な処置を考慮すること。
相互作用
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等:利尿剤(フロセミド等)、降圧剤(ニフェジピン等)
臨床症状・措置方法:過度の降圧を起こすおそれがあるので、用量を調節すること。
機序・危険因子:降圧作用の作用機序の違いによる相加・相乗作用と考えられる。
副作用
副作用等発現状況の概要
<本態性高血圧症、腎性高血圧症、褐色細胞腫による高血圧症>
総症例5,874例中、副作用が認められたのは384例(6.54%)633件で、その主なものは頭痛・頭重56件(0.95%)、めまい49件(0.83%)、嘔気・嘔吐44件(0.75%)、立ちくらみ26件(0.44%)等であった。(再審査結果時)
<前立腺肥大症に伴う排尿障害>
総症例4,047例中、副作用が認められたのは309例(7.64%)400件で、その主なものは立ちくらみ63件(1.56%)、めまい48件(1.19%)、ふらつき31件(0.77%)、頭痛・頭重22件(0.54%)等であった。(承認時迄の調査及び1999年6月迄の集計)
<神経因性膀胱に伴う排尿困難>
総症例336例中、副作用が認められたのは19例(5.65%)24件で、その主なものは立ちくらみ8件(2.38%)、めまい3件(0.89%)等であった。(承認時)
その他の副作用
1.精神神経系 0.1〜5%未満 頭痛・頭重、めまい、ふらつき、不眠
2.精神神経系 0.1%未満 しびれ感、眠気、肩こり、意識喪失
3.循環器 0.1〜5%未満 立ちくらみ、動悸、ほてり、のぼせ、胸部不快感、低血圧
4.循環器 0.1%未満 頻脈
5.消化器 0.1〜5%未満 嘔気・嘔吐、口渇、胃部不快感、下痢、腹痛
6.消化器 0.1%未満 腹部膨満感、便秘、食欲不振
7.肝臓 0.1〜5%未満 GOT上昇、GPT上昇、LDH上昇等
8.肝臓 0.1%未満 Al-P上昇等
9.泌尿器 0.1%未満 尿蛋白増加、頻尿、尿失禁
10.血液 0.1%未満 好中球減少、血小板減少
11.過敏症※ 0.1〜5%未満 発疹
12.過敏症※ 0.1%未満 そう痒
13.その他 0.1〜5%未満 倦怠感、浮腫、鼻閉、CPK上昇
14.その他 0.1%未満 耳鳴、息切れ、かすみ目
※:発現した場合には投与を中止すること。
高齢者への投与
高齢者には、次の点に注意し、少量から投与を開始するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
(1) 一般に高齢者では、過度の降圧は好ましくないとされている。[脳梗塞等が起こるおそれがある。]
(2) 肝機能が低下している場合は減量(例えば1日15mg)して投与を開始する。[高度に肝機能が低下(肝硬変)している高齢者の患者において、代謝・排泄の遅延が報告されている。]
妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1. 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。 [妊娠中の投与に関する安全性は確立していない。]
2. 授乳中の婦人に投与する場合には、授乳を避けさせること。[動物実験(ラット)で乳汁中への移行が報告されている。]
<参考>
(1)妊娠前・妊娠初期投与試験
ラット(雌:経口投与)の13mg/kg/日群で、発情休止期の延長が認められ、ラット(雄:経口投与)の80mg/kg/日群で、交配能力は確認されたが、受胎率の低下が認められた。
(2)器官形成期投与試験
ウサギ(経口投与)の60mg/kg/日群で、妊娠末期の胎児生存率の軽度低下傾向が認められた。
(3)周産期及び授乳期投与試験
ラット(経口投与)の80mg/kg/日群で、新生児での体重の軽度低下、周産期生存率の低下、育成期間初期の体重抑制が認められた。
小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない(使用経験がない)。
適用上の注意
1.投与時
徐放製剤であるため、カプセル中の顆粒をかまずに服用させること(一過性の血中濃度上昇による副作用が起こるおそれがある)。
2.薬剤交付時
PTP包装の薬剤はPTPシートから取り出して服用するよう指導すること。(PTPシートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔をおこして縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
その他の注意
1. 類似化合物(塩酸プラゾシン)で腎及びその他の動脈狭窄、脚部及びその他の動脈瘤等の血管障害のある高血圧患者で、急性熱性多発性関節炎がみられた1例報告がある。
2. CD-1系マウスを用いた24ヵ月経口癌原性試験(5〜500mg/kg/日)で、雌の高用量群において、血清プロラクチン値上昇及び乳癌ウイルス感染に起因すると考えられる乳腺腫瘍の発生頻度増加が報告されている。しかし、NMRI系マウス、SD系及びWistar系ラットを用いた試験では、腫瘍発生は報告されていない。
薬物動態
1.*血中濃度
健康成人男子に本剤(ウラピジル15mg又は30mg)を単回経口投与したときの未変化体の最高血漿中濃度(Cmax)、最高血漿中濃度到達時間(Tmax)及び生物学的半減期(T1/2)は次のとおりであった。
15mg・・・Cmax143.6±25.8、Tmax4.7±1.2、半減期2.7±1.4
30mg・・・Cmax271.4±104.8、Tmax3.6±0.5、半減期3.8±1.6
また、本剤(ウラピジル30mg)を1日2回7日間反復経口投与したときの未変化体の血漿中濃度推移に蓄積性はみられなかった。
2.代謝・排泄
健康成人男子(6名)に本剤(ウラピジル30mg)を単回経口投与したとき、投与後24時間までの未変化体の排泄率は約12%(投与量に対して)、代謝産物の排泄率はp-ヒドロキシ体では約35%(同)、o-デメチル体では約4%(同)、N-デメチル体では約3%(同)であった。その後1日2回5日間反復投与したときの排泄比率は、投与期間中ほぼ一定していた。
薬物動態の表
ウラピジル投与量 Cmax(ng/mL) Tmax(hr) T1/2(hr) 15mg 143.6±25.8 4.7±1.2 2.7±1.4
30mg 271.4±104.8 3.6±0.5 3.8±1.6 (平均値±標準偏差、15mg:n=6 30mg:n=14)
臨床成績
1. 本態性高血圧症、腎性高血圧症及び褐色細胞腫による高血圧症を対象とした臨床試験(二重盲検試験を含む)総計810例の臨床効果は下のとおりである。
2. 前立腺肥大症に伴う排尿障害を対象とした臨床試験(二重盲検試験を含む)総計340例の臨床効果は下のとおりである。
3. 神経因性膀胱に伴う排尿困難を対象とした臨床試験(二重盲検試験を含む)総計302例の臨床効果は下のとおりである。
臨床成績のデータ
疾患名\有効率(%) 有効以上 やや有効以上
本態性高血圧症 64.2%(496/772) 82.9%(640/772)
腎性高血圧症 54.2%(13/24) 75.0%(18/24)
褐色細胞腫による高血圧症 78.6%(11/14) 100.0%(14/14)
合計 64.2%(520/810) 83.0%(672/810)
疾患名\改善率(%) 改善以上 やや改善以上
前立腺肥大症に伴う排尿障害 53.2%(181/340) 85.3%(290/340)
疾患名\改善率(%) 改善以上 やや改善以上
神経因性膀胱に伴う排尿困難 56.6%(171/302) 88.4%(267/302)
薬効薬理
1.α1-受容体遮断作用
ウサギ大動脈、モルモット輸精管のin vitro実験、並びに麻酔及び脊髄破壊ラットの実験において、ウラピジルは選択的なα1-受容体遮断作用を示した。 本態性高血圧症患者に本剤を投与したとき、末梢血管抵抗が減少し、血圧降下作用を認めた。その作用はα1-受容体遮断作用が関与していると考えられる。
2.降圧作用
自然発症高血圧ラット、DOCA-食塩高血圧ラット、腹部大動脈結紮高血圧ラットにおいて経口投与で降圧効果を示した。その作用は主にα1-受容体を遮断することにより、末梢血管を拡張させ、その抵抗を減少させることによる。 麻酔ラットの実験で内臓交感神経放電活性の抑制がみられた。 高血圧症患者に本剤を投与したとき心拍数、糖・脂質代謝にほとんど影響せず、降圧効果が認められ、長期連用試験においても耐性を認めず、一定した降圧効果が得られた。また、日内変動への影響はみられていない。
3.腎機能に対する作用
麻酔ネコに静脈内累積投与した実験で、末梢血管抵抗の減少に伴い血圧下降を認めたが、腎血流に変化はみられず腎のautoregulationに影響を及ぼさなかった。 本態性高血圧症患者に本剤を8週間投与したとき、降圧効果が認められ腎機能検査(1日尿量、クレアチニン・クリアランス、尿中Na・K・Cl等)は治療前後で有意の変化を示さず、BUNはわずかながら有意な低下を示した。
4.前立腺、尿道及び膀胱平滑筋に対する作用
ウラピジルはウサギ摘出前立腺、尿道及び膀胱平滑筋標本におけるノルエピネフリン収縮を用量依存的に抑制した。 ウラピジルは麻酔イヌにおけるノルエピネフリンによる尿道内圧上昇を用量依存的に抑制した。 ウラピジルは麻酔イヌの最大尿道内圧、平滑筋部尿道内圧及び外括約筋部尿道内圧をいずれも低下させ、用量依存的に排尿量を増加、残尿量を減少させた。
有効成分に関する理化学的知見
一般名:Urapidil(ウラピジル)
化学名:6-[[3-[4-(o-methoxyphenyl)-1-piperazinyl]propyl]amino]-1,3-dimethyluracil
分子式:C20H29N5O3、分子量:387.48、融点:156〜161℃
性状:ウラピジルは白色〜微黄白色の結晶又は結晶性の粉末で、においはなく、味はわずかに苦い。 氷酢酸又はクロロホルムに溶けやすく、エタノール又はアセトンにやや溶けにくく、水又はエーテルに極めて溶けにくい。