薬効分類名:総合感冒剤

貯法・使用期限等:遮光・室温保存(光により着色することがあるので注意すること。)

規制区分:劇薬(分包品を除く) 指定医薬品(分包品を除く)

成分・含量(1g中) サリチルアミド270mg アセトアミノフェン150mg 無水カフェイン60mg メチレンジサリチル酸プロメタジン13.5mg

性状・剤形:白色の顆粒で味はやや甘く、わずかに苦味がある。

禁忌 (次の患者には投与しないこと)

1. 本剤の成分、サリチル酸製剤(アスピリン等)、フェノチアジン系化合物又はその類似化合物に対し過敏症の既往歴のある患者

2. 消化性潰瘍のある患者[本剤中のサリチルアミドは消化性潰瘍を悪化させるおそれがある。]

3. アスピリン喘息又はその既往歴のある患者[本剤中のサリチルアミドはアスピリン喘息を誘発するおそれがある。]

4. 昏睡状態の患者又はバルビツール酸誘導体・麻酔剤等の中枢神経抑制剤の強い影響下にある患者[本剤中のメチレンジサリチル酸プロメタジンは、昏睡状態の増強・持続、中枢神経抑制作用の増強や麻酔剤の作用時間の延長を来すおそれがある。]

5. 緑内障の患者[本剤中のメチレンジサリチル酸プロメタジンは抗コリン作用を有し、緑内障を悪化させるおそれがある。]

6. 前立腺肥大等下部尿路に閉塞性疾患のある患者[本剤中のメチレンジサリチル酸プロメタジンは抗コリン作用を有し,排尿困難を悪化させるおそれがある。]

効能又は効果

感冒若しくは上気道炎に伴う下記症状の改善及び緩和。鼻汁、鼻閉、咽・喉頭痛、頭痛、関節痛、筋肉痛、発熱

用法及び用量

通常,成人には1回1gを1日4回経口投与する。なお、年齢、症状により適宜増減する。

使用上の注意*

慎重投与 (次の患者には慎重に投与すること)

1. 肝障害、腎障害のある患者[本剤中のアセトアミノフェンの代謝が遅延し、肝障害、腎障害を悪化させるおそれがある。]

2. 出血傾向のある患者[本剤中のサリチルアミドにより血小板機能異常を起こすおそれがある。]

3. 気管支喘息のある患者[本剤中のサリチルアミドにより喘息を悪化させるおそれがある。]

重要な基本的注意

1. サリチル酸系製剤の使用実態は我が国と異なるものの、米国においてサリチル酸系製剤とライ症候群との関連性を示す疫学調査報告があるので、本剤を15歳未満の水痘、インフルエンザの患者に投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には、慎重に投与し、投与後の患者の状態を十分に観察すること。 [ライ症候群:小児において極めてまれに水痘、インフルエンザ等のウイルス性疾患の先行後、激しい嘔吐、意識障害、痙攣(急性脳浮腫)と肝臓ほか諸臓器の脂肪沈着、ミトコンドリア変形、AST(GOT)・ALT(GPT)・LDH・CK(CPK)の急激な上昇、高アンモニア血症、低プロトロンビン血症、低血糖等の症状が短期間に発現する高死亡率の病態である。]

2. 眠気を催すことがあるので、本剤投与中の患者には自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事させないように十分注意すること。

相互作用

併用注意 (併用に注意すること)

1. 薬剤名等・・・クマリン系抗凝血剤:ワルファリン:臨床症状・措置方法:クマリン系抗凝血剤の作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。

機序・危険因子・・・機序:サリチル酸製剤(アスピリン等)は血小板凝集抑制作用、消化管刺激による出血作用を有する。また、血漿蛋白に結合したクマリン系抗凝血剤と置換し、これらの薬剤を遊離させる。

2. 薬剤名等・・・糖尿病用剤:インスリン製剤、トルブタミド等:臨床症状・措置方法:糖尿病用剤の作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。

機序・危険因子・・・機序:サリチル酸製剤(アスピリン等)は血漿蛋白に結合した糖尿病用剤と置換し、これらの薬剤を遊離させる。

3. 薬剤名等・・・中枢神経抑制剤:臨床症状・措置方法:相互に中枢神経抑制作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。

機序・危険因子・・・メチレンジサリチル酸プロメタジンは中枢神経抑制作用を有する。

4. 薬剤名等・・・アルコール:臨床症状・措置方法:相互に中枢神経抑制作用を増強することがある。

機序・危険因子・・・メチレンジサリチル酸プロメタジンは中枢神経抑制作用を有する。

5. 薬剤名等・・・降圧剤:臨床症状・措置方法:相互に降圧作用を増強することがあるので、減量するなど慎重に投与すること。

機序・危険因子・・・メチレンジサリチル酸プロメタジンは降圧作用を有する。

6. 薬剤名等・・・抗コリン作用を有する薬剤:フェノチアジン系化合物、三環系抗うつ剤等:臨床症状・措置方法:臨床症状:相互に抗コリン作用を増強することがある。更には、腸管麻痺(食欲不振、悪心・嘔吐、著しい便秘、腹部の膨満あるいは弛緩及び腸内容物のうっ滞等の症状)を来し、麻痺性イレウスに移行することがある。なお、この悪心・嘔吐は本剤及び他のフェノチアジン系化合物等の制吐作用により不顕性化することもあるので注意すること。:措置方法:減量するなど慎重に投与すること。また、腸管麻痺があらわれた場合には投与を中止すること。

機序・危険因子・・・メチレンジサリチル酸プロメタジンは抗コリン作用を有する。

副作用

再評価結果における安全性評価対象例976例中、副作用は89例(9.1%)に認められた。主なものは、眠気、口渇、胃腸障害等であった。

重大な副作用

1. ショック、アナフィラキシー様症状(0.1%未満):ショック、アナフィラキシー様症状(呼吸困難、全身潮紅、血管浮腫、蕁麻疹等)を起こすことがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し適切な処置を行うこと。

2. 剥脱性皮膚炎、皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)、中毒性表皮壊死症(Lyell症候群)(0.1%未満):このような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

3. 再生不良性貧血(0.1%未満)、無顆粒球症(頻度不明):再生不良性貧血、無顆粒球症があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

4. 喘息発作の誘発(頻度不明):喘息発作を誘発することがある。

5. 間質性肺炎(0.1%未満)、好酸球性肺炎(頻度不明):発熱、咳嗽、呼吸困難、胸部X線異常、好酸球増多等を伴う間質性肺炎、好酸球性肺炎等があらわれることがあるので、このような症状があらわれた場合には投与を中止し、副腎皮質ホルモン剤の投与等の適切な処置を行うこと。

6. 肝機能障害、黄疸(頻度不明):肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。

7. 過量投与:本剤中のアセトアミノフェンの過量投与により、肝臓・腎臓・心筋の壊死が起こることが報告されている。

8. 乳児突然死症候群(SIDS)、乳児睡眠時無呼吸発作:プロメタジン製剤を小児(特に2歳以下)に投与した場合、乳児突然死症候群(SIDS)及び乳児睡眠時無呼吸発作があらわれたとの報告がある。

重大な副作用(類薬)

1. 長期投与:本剤中のアセトアミノフェンの類似化合物(フェナセチン)の長期投与により、間質性腎炎、血色素異常を起こすことがあるので長期投与を避けること。

その他の副作用

種類\頻度 5%以上又は頻度不明 0.1〜5%未満 0.1%未満

過敏症注1:発疹、浮腫、鼻炎様症状、結膜炎等

血液:チアノーゼ、顆粒球減少注1、血小板減少注1、貧血注1等

消化器:食欲不振、胸やけ、胃痛、悪心・嘔吐、口渇、消化管出血等

精神神経系:眠気、めまい、倦怠感、頭痛、耳鳴、難聴、視覚障害、不安感、興奮、神経過敏、不眠、痙攣等

肝臓:肝障害

腎臓:腎障害

循環器:血圧上昇、低血圧、頻脈等

その他:過呼吸注2、代謝性アシドーシス注2等、発汗、咳嗽、振戦
注1: 症状(異常)が認められた場合には投与を中止すること。
注2: 減量又は投与を中止すること。(血中濃度が著しく上昇していることが考えられる。)

高齢者への投与

一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。

妊婦、産婦、授乳婦等への投与

1. 妊婦(12週以内あるいは妊娠末期)又は妊娠している可能性のある婦人には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。[サリチル酸製剤(アスピリン等)では動物試験(ラット)で催奇形性作用が、また、ヒトで、妊娠末期にアスピリンを投与された患者及びその新生児に出血異常があらわれたとの報告がある。]

2. 妊娠末期のラットにアセトアミノフェンを投与した試験で、弱い胎児の動脈管収縮が報告されている。

3. 授乳婦には長期連用を避けること。[本剤中のカフェインは母乳中に容易に移行する。]

過量投与

本剤中のアセトアミノフェンの過量投与により、肝臓・腎臓・心筋の壊死が起こることが報告されている。初期徴候は、悪心、嘔吐、発汗、全身倦怠感等である。

その他の注意

1. 腎盂及び膀胱腫瘍の患者を調査したところ、本剤中のアセトアミノフェンの類似化合物(フェナセチン)製剤を長期・大量に使用(例:総服用量1.5〜27kg、服用期間4〜30年)していた人が多いとの報告がある。
また本剤中のアセトアミノフェンの類似化合物(フェナセチン)を長期・大量投与した動物試験(マウス,ラット)で、腫瘍発生が認められたとの報告がある。

2. 抗パーキンソン剤(本剤中のメチレンジサリチル酸プロメタジン)はフェノチアジン系化合物、ブチロフェノン系化合物等による口周部等の不随意運動(遅発性ジスキネジア)を通常軽減しない。場合によっては,このような症状を増悪、顕性化させることがある。

3. 本剤中のメチレンジサリチル酸プロメタジンは制吐作用を有するため、他の薬剤に基づく中毒、腸閉塞、脳腫瘍等による嘔吐症状を不顕性化することがあるので注意すること。

臨床成績

再評価結果におけるプラセボを対照薬とした二重盲検比較試験での症状別改善率(投与2日後)は次のとおりであった。本剤はプラセボと比較して有意にすぐれた効果が確認された。(消失・軽減症例を改善症例とし、不変又は悪化症例と比較した。)

臨床成績

症状 PL顆粒 プラセボ 検定結果 改善例数/有効性評価対象例数 改善率(%) 改善例数/有効性評価対象例数 改善率(%)

鼻汁 63/73 86.3 45/66 68.2 p<0.01

鼻閉 44/48 91.7 23/44 52.3 p<0.01

咽頭痛 53/64 82.8 37/57 64.9 p<0.01

頭痛 41/45 91.1 34/47 72.3 p<0.01

関節痛 7/8 87.5 11/16 68.8 N.S.

筋肉痛 4/5 0/0 −

発熱 17/19 89.5 5/13 38.5 p<0.01

(検定法:Wilcoxon順位和検定)

薬効薬理

薬理作用

1. 体温下降作用

マウスを1群5匹とし、本剤500mg/kg経口投与後、マウス直腸温は低下した。(下の表2参照)

2. 鎮痛作用

本剤を皮下及び経口投与したときの鎮痛作用をマウスを用いたハフナー変法及び酢酸ライジング法で調べ、ED50をup and down法で算出したところ、下記の結果が得られた。

(1) 皮下投与(ハフナー変法:236mg/kg、酢酸ライジング法:193mg/kg)

(2) 経口投与(ハフナー変法:460mg/kg、酢酸ライジング法:372mg/kg)

3. 解熱鎮痛作用

解熱鎮痛剤であるサリチルアミド(サリチル酸系)とアセトアミノフェン(アミノフェノール系)は、体温調節中枢に作用して皮膚血管を拡張し、熱の放散を盛んにして解熱効果を、また末梢性の鎮痛効果を示す。
マウス、ラットを用いた試験で、両者の配合により鎮痛作用は増強された。

4. 鎮痛作用の増強

メチレンジサリチル酸プロメタジンは、フェノチアジン系の抗ヒスタミン剤で抗ヒスタミン作用を有するとともに、マウスを用いた試験で、サリチルアミド、アセトアミノフェンの鎮痛作用を増強した。

5. カフェインの中枢神経興奮作用

精神機能を活発にし、不快感を除去する。また鎮痛作用を増強する。

薬効薬理の表 表2

体温下降作用 投与前値 投与後の変動値 投与後の変動値 投与後の変動値 投与後の変動値 投与後の変動値 30分 60分 120分 180分 240分

直腸温(℃) 36.62 −1.54 −2.00 −0.58 −0.27 −0.20 (Bliss法により算出)

有効成分に関する理化学的知見

1. 一般的名称:サリチルアミド(JAN)[局外規] salicylamide

化学名:2-hydroxybenzamide

分子式:C7H7NO2、分子量:137.14

性状:白色の結晶又は結晶性の粉末で、におい及び味はない。ジメチルホルムアミドに極めて溶けやすく、エタノールに溶けやすく、プロピレングリコールにやや溶けやすく、エーテルにやや溶けにくく、水又はクロロホルムに溶けにくい。 水酸化ナトリウム試液に溶ける。

融点:139〜143℃、分配係数:14.1[pH7.4,1-オクタノール/緩衝液]

2. 一般的名称:アセトアミノフェン(JAN)[日局] acetaminophen

化学名:N-(4-hydroxyphenyl)acetamide

分子式:C8H9NO2、分子量:151.17

性状:白色の結晶又は結晶性の粉末である。メタノール又はエタノールに溶けやすく、水にやや溶けにくく、エーテルに極めて溶けにくい。水酸化ナトリウム試液に溶ける。

融点:169〜172℃、分配係数:3.24[pH7.4,1-オクタノール/緩衝液]

3. 一般的名称:無水カフェイン(JAN)[日局] anhydrous caffeine

化学名:3,7-dihydro-1,3,7-trimethyl-1H-purine-2,6-dione

分子式:C8H10N4O2、分子量:194.19

性状:白色の結晶又は粉末で、においはなく味は苦い。クロロホルムに溶けやすく、水、無水酢酸又は氷酢酸にやや溶けにくく、エタノール又はエーテルに溶けにくい。1.0gを水100mLに溶かした液のpHは5.5〜6.5である。

融点:235〜238℃

4. 一般的名称:メチレンジサリチル酸プロメタジン(JAN)[局外規] promethazine methylenedisalicylate

化学名:10-(2-Dimethylaminopropyl)phenothiazine 5,5′-methylenedisalicylate(2:1)

分子式:C34H40N4S2・C15H12O6、分子量:857.11

性状:白色〜微黄色の結晶性の粉末で、においはない。氷酢酸に溶けやすく、メタノール又はアセトンに溶けにくく、エタノールに極めて溶けにくく、水又はエーテルにほとんど溶けない。光によって着色する。

融点:約211℃(分解)