【禁忌(次の患者には使用しないこと)】

1.非喫煙者〔本剤の使用が不要であるため。また、副作用が表れやすい。〕

2.妊婦、授乳婦〔動物で催奇形性及びヒトで乳汁中移行が報告されている。〕

3.不安定狭心症、急性期の心筋梗塞(発症後3ヶ月以内)、重篤な不整脈のある患者又は経皮的冠動脈形成術直後、冠動脈バイパス術直後の患者〔カテコラミン放出促進による血管収縮、血圧上昇をきたし症状が悪化するおそれがある。〕

4.脳血管障害回復初期の患者〔脳血管の攣縮・狭窄を起こし症状が悪化するおそれがある。〕

5.本剤の成分に過敏症の既往歴のある患者

【効能又は効果】

循環器疾患、呼吸器疾患、消化器疾患、代謝性疾患の基礎疾患を持ち、医師により禁煙が必要と診断された禁煙意志の強い喫煙者が、医師の指導の下に行う禁煙の補助

〈効能又は効果に関連する使用上の注意〉

1.心疾患患者に本剤を使用する場合、問診、心電図、血圧測定、運動負荷試験等により症状が安定であることを確認すること。

2.本剤の使用は禁煙意志の強い喫煙者の禁煙補助を目的としている。このことを患者に十分説明し、禁煙宣誓書等により禁煙意志の強いことを確認してから使用すること。

【用法及び用量】

ニコチネルTTS10(ニコチンとして17.5mg含有)、ニコチネルTTS20(ニコチンとして35mg含有)、又はニコチネルTTS30(ニコチンとして52.5mg含有)を1日1回1枚、24時間貼付する。
通常、最初の4週間に減量の必要が生じた場合には、ニコチネルTTS20を貼付する。
本剤は10週間を越えて継続投与しないこと。

〈用法及び用量に関連する使用上の注意〉

1.減量する場合は、予定の貼付期間を変更せず、1段階ニコチン含量の少ない同一製剤を使用すること。

2.本剤は24時間貼付するため、就寝中に不眠等の睡眠障害があらわれることがあるので、このような場合には本剤を中止すること。

【使用上の注意】

1.慎重投与(次の患者には慎重に使用すること)

(1)心筋梗塞、狭心症(異型狭心症)の既往歴のある患者、又は狭心症で症状の安定している患者〔症状が再発又は悪化するおそれがある。〕

(2)高血圧、不整脈、脳血管障害、心不全、末梢血管障害(バージャー病等)のある患者〔症状が悪化するおそれがある。〕

(3)甲状腺機能亢進症、褐色細胞腫、インスリン依存性糖尿病等の内分泌疾患のある患者〔症状が悪化するおそれがある。〕

(4)消化性潰瘍のある患者〔症状が悪化するおそれがある。〕

(5)肝・腎機能障害のある患者〔症状が悪化するおそれがある。〕

(6)アトピー性皮膚炎あるいは湿疹性皮膚炎等の全身性皮膚疾患の患者〔症状が悪化するおそれがある。〕

2.重要な基本的注意

(1)禁煙の成功は、禁煙指導の質及び頻度に依存するもので、本剤は、医師等による適切な禁煙指導の下に禁煙計画・指導の補助として用いること。
また、本剤使用後も禁煙を維持させるため、禁煙指導を実施すること。

(2)本剤使用中の喫煙により循環器系等への影響が増強されることがあるので、本剤使用中は喫煙させないこと。

(3)本剤は禁煙意志が強く、循環器疾患、呼吸器疾患、消化器疾患、代謝性疾患等の基礎疾患を持つ患者であって、禁煙の困難な喫煙者に使用すること。

(4)本剤の使用開始にあたって、本剤の使用に関する説明書を患者に与えること。

3.相互作用

(1)喫煙中に下記薬剤を服用している場合、本剤を使用して禁煙を開始後、下記薬剤の作用が増強するおそれがある。
フェナセチン、カフェイン、テオフィリン、イミプラミン、ペンタゾシン、フロセミド、プロプラノロール

(2)併用注意(併用に注意すること)

薬剤名等 臨床症状・措置方法 機序・危険因子
アドレナリン遮断薬 本剤との併用により、アドレナリン遮断性の薬剤の作用を減弱させるおそれがある。
必要に応じてアドレナリン遮断性の薬剤を増量するなど用量に注意すること。
ニコチンにより血中コルチゾール、カテコラミンの量が増加する。
アドレナリン作動薬 本剤との併用により、アドレナリン作動性の薬剤の作用を増強させるおそれがる。
必要に応じてアドレナリン作動性の薬剤を減量するなど用量に注意すること。

4.副作用

総症例747例中334例(44.7%)に560件の副作用が認められた。全身性の副作用は140例(18.7%)、局所性副作用は248例(33.2%)に認められた。主な全身性副作用は不眠51件(6.8%)等であり、主な局所性副作用は紅斑151件(20.2%)、かゆみ135件(18.1%)等であった。

その他の副作用

  5%以上 1%〜5% 1%未満
皮膚 一次刺激性の接触皮膚炎(紅斑、かゆみ) 一次刺激性の接触皮膚炎(丘疹、腫脹(注1)、小水泡等) 皮膚剥離、色素沈着
精神神経系 不眠 頭痛(注3)、めまい、倦怠感 異夢(注2)、悪夢(注2)、疲労、集中困難、しびれ
消化器   吐き気 嘔吐、腹痛、口内炎、胸やけ、下痢
肝臓   GPT、LDH上昇 GOT、γ−GTP、総ビリルビン値上昇
循環器     血圧上昇、動悸
自律神経系     顔面蒼白、口渇、ほてり、多汗、唾液過多
感覚器系     味覚倒錯(口中苦味感、味覚異常)、耳鳴
呼吸器系     息苦しさ、咽頭違和感
過敏症     アレルギー性接触皮膚炎、かゆみ、発疹、ふけの増加
その他     疼痛、筋肉痛、肩こり、胸痛、浮腫、寒気、ニコチン臭、トリグリセリド上昇

注1)症状があらわれた場合は中止すること。必要に応じてステロイド軟膏剤(吉草酸ベタメタゾン・硫酸ゲンタマイシン配合剤等)等の使用を考慮すること。

注2)症状があらわれた場合は中止すること。

注3)症状があらわれた場合は減量又は中止すること。

5.高齢者への使用

一般に高齢者では生理機能が低下しているので、注意すること。

6.妊婦、産婦、授乳婦等への使用

(1)妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には使用しないこと。〔ニコチンでは、動物実験で、マウスにおいて、催奇形作用(四肢の骨格異常)、胎児死亡増加、胎児体重減少、ラットにおいて、胎児死亡増加、胚の発育遅延、着床遅延、分娩開始遅延、出生児発育遅延、出生児の行動異常等が報告されている。

(2)授乳中の婦人には使用しないこと。〔ヒト母乳中へ移行することが報告されている。〕

7.過量投与

症状及び徴候は、急性ニコチン中毒の症状及び徴候と同様である。

徴候、症状:蒼白、発汗、吐き気、よだれ、嘔吐、腹部痙攣、下痢、頭痛、めまい感、聴覚障害、視覚障害、振戦、精神錯乱、筋脱力感、全身痙攣、疲弊?、神経反応の喪失、呼吸不全。致死量では、全身痙攣、死亡につながる末梢性及び中枢性呼吸麻痺、非常にまれに心不全(非喫煙者において)。

処置:ニコチネルTTSを直ちにはがし、石鹸等を使用せずに、その皮膚表面を水で洗い乾燥させる。急性ニコチン中毒に対する処置として、呼吸麻痺に対しては人工呼吸を行う。また、正常体温を維持し、低血圧、心血管虚脱には対症療法を行う。

8.適用上の注意

(1)貼付部位は、上腕部、腹部あるいは腰背部とする。

(2)貼付部位の皮膚を拭い、清潔にしてから本剤を貼付すること。なお、入浴後に貼付する場合は、水分を十分に取り除き、乾燥させてから貼付すること。l

(3)皮膚刺激を避けるため、毎回貼付部位を変え、繰り返し同一箇所には貼付しないこと。

(4)白色の内袋を開封後は、1ヶ月以内に使用すること。

9.その他の注意

(1)海外で類薬の長期使用により、ニコチン依存性が製剤に引き継がれ、離脱が困難になる症例が報告されている。

(2)ラットに皮下投与した実験で、精子形成の低下が起こることが報告されている。

【薬物動態】

1.血中濃度

健常喫煙者にニコチネルTTS10,20,30を単回24時間貼付したとき、血漿中ニコチン濃度は貼付7〜24時間後に最高濃度に達し、用量依存的であった。ニコチネルTTS30の血漿中ニコチン濃度推移は、1時間ごとに1本タバコを喫煙したときの各喫煙直前濃度推移と同様であった。本剤除去後の血漿中ニコチン濃度の消失半減期は6〜7時間であった。

本剤からニコチンは含量の40〜47%が放出され、その絶対生物学的利用率はおよそ80%であった。また、本剤を腰背部、腹部及び上腕部に貼付したときの生物学的利用率に差は認められなかった。

2.代謝・排泄

ニコチンの主代謝部位は肝臓であり、主にニコチンに代謝された後、さらに広範に代謝を受ける。ニコチンならびに代謝物は大部分が尿中に排泄される。

3.蓄積性

健常喫煙者にニコチネルTTS30を5日間反復貼付したときの血漿中ニコチン濃度に蓄積性は認められなかった。

4.腎機能障害患者における薬物動態

喫煙習慣のある中等度あるいは軽度の腎機能障害感患者(クレアチニンクリアランス:70〜100ml/min)6名にニコチネルTTS30(52.5mg)を単回24時間貼付した。腎機能障害患者における血漿中ニコチン濃度のAUC(0〜48時間後まで)、Cmaxは健常人と同等であった。(外国人のデータ)

【臨床成績】

基礎疾患を有する喫煙者を対象にした二重盲検比較試験を含む臨床試験において効果判定が行われた329例について有効率(「完全禁煙」及び「禁煙」)は52.3%であった。
二重盲検比較試験において本剤の有用性が認められ、離脱症状、特にニコチンへの渇望の発現頻度がプラセボ群に比較し、有意に低かった。

【薬効薬理】

本剤は、タバコ中に含まれるニコチンを経皮的に吸収させ、禁煙時の離脱症状を軽減することを目的とした禁煙補助剤である。本剤の効果は臨床試験によって裏付けされている(【臨床成績】の項参照)。本剤の成分であるニコチンはサルで強化作用を有することが報告されている。身体依存性については、動物では明確になっていないので、動物を用いた薬効薬理試験は実施しなかった。

【取扱上の注意】

本剤は子供が容易に中身を取り出せないように包装に工夫が施されている。本剤を使用するときは、透明のフィルムをハサミで切り、さらに貼付剤を傷つけないよう手で白色の内袋を開封して取り出すよう患者に指示すること。

【承認条件】

禁煙指導のためのプログラムを使用した場合の本剤の有効性及び安全性を確認するため市販後調査を実施し、その結果を報告すること。