第1世代抗うつ剤の歴史
抗結核薬でありモノアミン酸化酵素(MAO)阻害作用を持つイプロニアジドが1957年に初めての抗うつ薬として臨床に登場しました。しかし残念ながら肝障害、チーズなどのチラミン含有食品等による高血圧クリーゼといった致命的な副作用を抱えていました。その直後にTCA(TriCyclic Antidepressant)のイミプラミンが登場しました。イミプラミンは優れた効果を有していたため、その後アミトリプチリン、ノルトリプチリンなどさまざまなTCAが開発されました。優れた抗うつ効果によりうつ病治療に大きく貢献しましたが、TCAはすべてと言っていいほど抗コリン作用を持ち,心毒性もあるので副作用の面で問題があります。したがって高齢者や身体疾患を持った患者さんでは使いにくいのが現状です。
入院患者にはTCAのほうが優れているということですが、その理由の 1 つにアミトリプチリンには5-HTとNAの両方の再取り込み阻害作用があることが挙げられています。したがって入院患者にはTCA、外来患者にはSSRI等の新世代抗うつ剤という使い分けが米国でもできあがっています。重症例に対しては副作用の少ない第 2 世代の抗うつ薬から使い始めるわけですが、最終的には第 2 世代の抗うつ薬に比べて副作用が多いけれど効果の高い第 1 世代に返らなければ治療が立ちいかないという現状があります。TCAはムスカリン性アセチルコリン受容体、ヒスタミンH1受容体、アドレナリンα1受容体などに親和性を持っていることが副作用の原因と説明されています。
これらを改良するため、第2世代の抗うつ剤が開発されるようになっていきます。