アミネプチンの薬物動態(やや専門的)
平均年齢35.8歳の男女6名ずつで、アミネプチンとその代謝物の薬物動態が、100mg単回投与で、血漿中濃度により測定された。なお、血漿中濃度はHPLCで測定した。
アミネプチンの吸収速度は素早く、経口投与後の平均最大血漿濃度到達時間はアミネプチンが1時間であり、その代謝物が1.5時間であった。
平均分布容積は大きく、2.4リットル/kgであった。
消失速度も素早く、 2つの物質のそれぞれの平均半減期は短く、アミネプチンが0.8時間、その代謝物が2.5時間であった。
アミネプチンの平均血漿クリアランスは、124.8リットル/時間であった。なお、薬物動態に関して男女差はなく、アミネプチンの蓄積性も認められなかった。
アミネプチンの添付文書
表示と内容物
1箱に100錠入りで、1錠中100mgの塩酸アミネプチンを含んでいます。
適応症
鬱状態
禁忌
このクスリは、次のような場合、使ってはならない。
ハンチントン舞踏病の患者、非選択的MAO阻害剤に関連したクスリを服用中の患者(例えば、薬物相互作用などが出る恐れがある)、アミネプチンで、アレルギーを引き起こした事のある患者、肝炎を引き起こした場合。
警告
このクスリは、1日1〜2錠だけ使うべきである。大量投与は入院して観察が必要になる、治療に関連した合併症を引き起こす危険性を増大させることになる。
服用をやめたあと、無気力症、不安感、精神錯乱などが生じた場合、医師に相談すること。
スポーツをしている人の場合、ドーピング検査に引っかかる可能性があるので注意すること。
注意
もし、あなたが一般的な無気力症ならば、むしろその症状の出る1日〜2日前は治療をやめるべきである。
このクスリを夕方服用する事は、不眠症を生じる可能性があるので避けるべきである。
薬物相互作用
鬱病に使用するMAO阻害薬との併用は様々な副作用の危険性があるので、MAO阻害薬の服用をやめたあと15日は様子を見なければならない。
副作用
治療の開始時、このクスリは一時的に不快な、次のような作用を及ぼす。
動悸、神経症、不安、興奮、不眠、(特にこのクスリを夕方服用した場合)。血圧下降、赤面、吐き気、胃痛、ふるえ、口渇、めまい、腹部の痛み、、興奮状態がまれにみられる。
このクスリはまた、黄疸や疲労感、腹部の痛み、筋肉の痛み、食欲減退、悪性症候群などがアレルギー性肝障害とともに生じる事がある。腹部の痛みや無気力症、食欲減退、吐き気、筋肉の痛みが生じた場合、服用をやめるべきである。
このクスリを長期にわたって大量投与すると、肉体的、精神的無気力症、不安感、そして一時的な精神錯乱、重度のにきびが生じる危険性が増加する。
用法・用量
経口投与の場合
1日1〜2錠を、少量の水で服用する事。夕方服用すると、不眠になることがるので避けること。
過量投与
意図的非意図的なオーバードーズにおいては、すぐに医師と相談し、状況説明をしなければならない。
治療時の緊急事態における処置
胃洗浄、循環器系のモニタリング、鎮静剤の注射、肝機能モニタリング
貯蔵方法
30度以下に保存
参考(副作用等)
動悸、神経質、不安、被刺激性、不眠(特に夜に服用の場合)。
まれに低血圧、顔面紅潮、吐き気、胃痛、振戦、口渇、めまい、便秘、興奮状態 、黄疸を伴うアレルギー性肝障害、疲労、腹痛、筋肉痛及び関節痛、食欲減退、悪性症候群。
腹痛、無力症、食欲減退、吐き気、関節痛、筋肉痛があらわれた場合、中止のうえ医師や薬剤師に相談すること。(日本じゃ無理かな)
高用量で長期にわたって使用すると身体的精神的な無力症、不安、一時的な 精神錯乱及び/あるいは重症のにきびがあらわれる危険がある。
服用を止めた後、無力症、不安があった場合あるいは精神錯乱を経験した場合、医師に相談すること。(無理だね)
薬物相互作用 MAO阻害薬との併用は絶対禁忌。
学術論文からのアブスト
アミネプチンとブロマゼパム(ベンゾジアゼピン系薬物)の慢性的併用による二次的なパーキンソン症候群を発症したケースの報告
境界型人格障害と診断された患者において、アミネプチン(3g/day)とブロマゼパム(35mg/day)の慢性的な乱用によって、二次的にパーキンソン症候群をおこした事が報告されている。その患者は他の薬物を服用しておらず、最近ではマイナートランキライザーによる治療を受けていなかった。彼は刺激薬としてアミネプチンを乱用し、アミネプチンによる二次的な不安亢進から逃れるためにブロマゼパムを乱用した。パーキンソン症候群は、アミネプチンとブロマゼパムの服用をやめ、ビペリデンとジアゼパムを服用した後改善した。最終的には、その患者はあらゆる薬物なしで生活できるようになった。ベンゾジアゼピン系薬物は、二次的にパーキンソン症候群を引き起こす事があるが、アミネプチン単独では、二次的にパーキンソン症候群を発症したという報告はない。
気分変調の治療に対するプラセボを対照としたアミスルプリドとアミネプチン間の比較
ドパミンD2,D3受容体の選択的拮抗薬であるアミスルプリドは、優先的にシナプス前受容体に作用し、低い用量でドパミン伝達を増加させる。3ヶ月間のプラセボ対照研究において、アミスルプリド(50mg/day)は気分変調に対する治療効果をアミネプチン(200mg/day)と比較された。合計323人の患者が参加した。アミスルプリドとアミネプチンは、統計学的にプラセボより優れていた(危険率0.01%以下)。とある気分変調などに対する数値的データを解析する手法によると、プラセボに比べ、アミネプチンやアミスルプリドは2倍以上の治療成績を上げた。副作用として、アミネプチンは主に精神賦活化に関連した症状を示した(不眠症や心身症)。結果として、アミスルプリドは気分変調における慢性的うつ病の兆候を改善する事を示した。
アミネプチンの肝臓障害を誘起する可能性について
それぞれ18日間、15日間アミネプチンによって治療を受けていた二人の患者の、アミネプチンによって引き起こされた肝臓障害が報告された。
なお、肝臓障害の発生原因として、アミネプチンの分解物(代謝物)が、肝臓などの代謝酵素系と共有結合により結びつき、働きを阻害することに起因する事が上げられています。
斜め読み情報
アミネプチンは、三環系抗うつ薬の仲間であり、他の三環系抗うつ薬と交差耐性を示すことと、併用することにより、肝毒性が増強されること、肝臓(P-450)で代謝され、(さらに強まるかどうかは未確認)活性化されること、主な副作用として肝臓障害、重度のにきび(慢性的に大量投与していても起こる)が生じること、アナフィラキシーショック(劇症アレルギーとも言えるべきもので、重傷の場合、死に至ることもある)を、1錠で起こすこともあること、アミネプチン乱用症候群と言われている臨床症状が存在すること、ドパミン受容体D1を競合的に阻害するが、選択的にドパミンの再取り込みを阻害することによって、ドパミンD2受容体を間接的に刺激することになること、SSRI(プロザックなど)の副作用である勃起障害を、アミネプチンを服用することで改善させることができること、クロニジンで、アミネプチンの依存を治療することができるらしいこと、ミトコンドリアのβ酸化(脂肪を燃やすための系)を抑制すること、ドパミン以外にも、セロトニンやノルアドレナリンへの作用も少しあること、きちんとしたアミネプチン療法を行えば、プロザックよりも鬱病に対して効果がある、、などなど。