2001.2.25

インフルエンザ、流行期に入る?

インフルエンザの流行状況について厚生労働省は19日、「感染症週報」第5週(1月29日から2月4日報告分)で「遅ればせながら流行期に入ったと考えられる」との見解を示した。定点の1医療機関当たりの報告数が流行の目安の1人を超えたため。
第5週の定点当たり報告数は1・33人で、患者数は6177人。報告が多いのは和歌山県の9・6人、次いで高知県4・2人、鹿児島県3・1人。 一方、幼稚園を含む学校集団発生状況をまとめた「インフルエンザ様疾患発生報告」第九報(2月4日から2月10日報告分)では、この週の患者数は7739人で、前週報告分より3000人あまりの増で、徐々に一週間当たりの報告数は増えてきている。
今冬のこれまでの患者数は1万8216人で、昨冬同期に比べ24分の1にとどまっている。

2001.2.8

ベンゾジアゼピン系化合物の新たな展開

ベンゾジアゼピン化合物は、これらがγ-アミノ酪酸(GABA)A受容体にある、ベンゾジアゼピン結合部位(ベンゾジアゼピン受容体)に結合することによってGABA受容体のクロライドチャネル(細胞膜にある塩素イオンを通す穴)が開きやすくなり、それによってGABAが結合した時に、GABAの効果が増強される(塩素イオンが信号になり、作用する)ため、抗不安効果や睡眠作用をもたらす。
GABAA受容体にはサブタイプが存在するが、最近この受容体の主要な構成要素(サブユニット)α1に点変異(1つの遺伝子配列を変える手法)を導入したマウスを用いて、サブタイプとベンゾジアゼピンの効果、及び生理機能との対応が明らかになった。
先ほどの説明を補足すると、GABAは抑制性神経伝達物質であり、GABAがクロライドチャネル一体型のGABAA受容体に結合すると、シナプス後部では、チャネルが開いてクロライドイオンが流入し、細胞の興奮性を低下させる。
GABAA受容体は5つのサブユニットタンパク質から構成されており、サブユニットの種類はα1〜6、β1〜4、γ1〜4、σ、ε、P、ρ1〜4が報告されている。その組み合わせは多岐に渡るが、脳内ではαβγの組み合わせ、特に2個のα、2個のβ、1個のγサブユニットより形成されるGABAA受容体が多い。
この受容体上で、GABAはαとβサブユニットの境界に結合し、ベンゾジアゼピンとの結合部位はαとγサブユニットの境界にある。脳内ではγサブユニットはγ2が多いことから、ベンゾジアゼピン化合物の結合は、必ず存在するαサブユニットの種類に影響される事が分かる。
古典的なベンゾジアゼピンであるジアゼパムはα1、2、3、あるいはα5を含むGABAA受容体のベンゾジアゼピン結合部位にほぼ同等の親和性で結合するが、α4あるいはα6を含むGABAA受容体には結合しない。
α1、2、3、及びα5のアミノ酸構造末端にはジアゼパムが結合するのに必要なアミノ酸が存在するが(α1はH101、α2はH101、α3はH126、α5はH105)、α4とα6では対応する場所に異なるアミノ酸が存在する。α1、2、3、5のアミノ酸を4や6と同じアミノ酸に置換すると、GABAに対する反応性は保持されたまま、ジアゼパムによるGABAの増強効果が消失する。これは、ジアゼパムがこの部位に結合できなくなるためと考えられている。
そこで、このα1に対して点変異を導入したノックアウトマウスを用い、実験を行った。
その結果、やはりジアゼパムはこの変異受容体には結合しないこと、α1を多く含む小脳プルキンエ細胞のGABAに対する反応性は変化がないが、ジアゼパムによるGABAの増強効果は著しく減少している事が明らかになった。
行動薬理学的解析においては、変異マウスはジアゼパムによる鎮静がおこらず、記憶障害も起こらなかった。したがって、α1を含むGABAA受容体がベンゾジアゼピンの鎮静、記憶障害に関与している事が明らかになった。さらに、α1のH101R(101番目のヒスチジンをアルギニンに変えた)マウスにおいて、ジアゼパムは薬物誘発痙攣を完全には阻止しなかったことより、抗けいれん作用にはα1を含むGABAA受容体が部分的に関与していると考えられた。
ところが、このマウスではジアゼパムによる筋弛緩、運動失調、エタノール作用増強、抗不安作用などは完全に維持されており、これらの作用にはα2、3、あるいは5を含む受容体が関与していることが推察された。
これらの結果は、GABAによる様々な生理機能の調節がそれぞれ異なるGABAA受容体サブタイプを介して行われている可能性を強く示唆している。
ここではα1と記憶との関連が示唆されたが、α5を含むGABAA受容体が海馬に多い事より、このサブタイプと学習・記憶との関連性も推察されるだろう。

Huperzine Aのアルツハイマーへの応用

Angew. Chem. Int. Ed.,39, 1775(2000)
Extention I.Q.や、Vinpozine等のスマートドラッグ製品に含まれているHuperzine Aは、強力かつ選択的なアセチルコリンエステラーゼ阻害活性を持っている。そのため、アルツハイマー病治療薬のリード化合物として最近注目を集めている。
現在、Huperzine Aの活性部位を有機合成の手法により2倍に増やす事により、アセチルコリンエステラーゼ結合活性が、濃度換算で2倍にまで増加した新規化合物が合成されている。
詳しく言うと、活性部位のみを2つα、ω−diamine化する事によって、酵素のもう一つの活性部位と結合させる事に成功したとの事である。

肥満はドーパミン受容体にも関係

肥満のヒトには、神経伝達物質のドーパミンの受容体が少ない傾向があることが分かった。ドーパミンは満足感を得る事に関与しており、受容体の数が少ないことから満足感を得ようとしてたくさん食べるようになる可能性があるとの事。

2001.2.7

ビタミンEサプリメントが高血圧男性の脳卒中リスクを軽減

Archivers of Neurology(57:1503-1509,2000)
研究によると、ビタミンE補助剤は高血圧男性の脳卒中リスクを軽減するという。ビタミンE補助剤は高リスクの高血圧患者の虚血性脳血管障害を防ぐことができると報告した。この研究では、50〜69歳の 2 万9,000例以上の男性喫煙者を対象とした。対象患者らは(1)ビタミンE補助剤投与群(2)βカロチン補助剤投与群(3)ビタミンEとβカロチン補助剤投与群(4)プラセボ群−の 4 群に分けられた。
この結果、ビタミンE補助剤は正常血圧の男性には影響しなかったが、高血圧患者の脳卒中リスクを低下させ、高血圧と同時に糖尿病に罹患している男性の脳卒中リスクも低下させた。
これに対し、βカロチンは脳出血リスクを上昇させたが、アルコール摂取量の多い患者の脳卒中発生率は中等度に低下させた。全対象者のうち、1,057例に脳卒中が発生し、160例が発生時から90日以内に脳卒中によって死亡した。
この研究は予備試験であるため、ビタミンE補助剤とβカロチンの役割を確認するためにさらなる研究の積み重ねが必要であろう。

早期脳変化スクリーニングで精神分裂病を予測

American Journal of Psychiatry(157:2040-2042,2000)
精神分裂病における脳の実質的な変化は疾患の最早期から認められ、これは脳の変化が精神病性の症状の発現に先行することを示す発表があった。この所見は脳画像が疾患の徴候の正確な特定や、発症の予防の役割さえ果たしうることも示唆している。
精神病の症状の初回発現例37例と健常ボランティアから成る68例を対象としてMRIスキャンを実施したところ、健常群と精神病群との間に側頭葉など重要な領域に構造の違いを認めた。
精神分裂病患者と健常者との間で脳に違いがあることはこれまでの研究で既に示されているが、これらの研究は精神分裂病の長期罹患例を対象としていることが多かった。そのため、脳の変化が加齢によるものか、疾患によるものか、または薬剤の副作用によるものかを特定することは難しかった。ここでは精神病の発症期間が 3 か月以下の患者を対象とし、なかにはこれまで抗精神病薬を服用したことがない患者もいた。それでもなお、MRIスキャンで脳の重要な領域にきわめて明瞭な変化を認め、患者が精神病性の挙動の徴候を示す前に脳の構造が既に変化していることが示された。
現在、精神分裂病は早期に治療すれば回復の可能性が高いことが認められており、国民健康保険制度プランは早期精神病の治療を優先するとの大綱を2000年 7 月に定めた。
しかし、このの研究所見は疾患の最早期でも脳の変化が明白であることを示している。このため、同博士らは精神分裂病の予防のために、精神病であることが明白となる前の“前駆期”と呼ばれる、より早期の段階に焦点を合わせ始めている。しかし、前駆期の徴候と他の精神疾患の初期や正常な思春期との鑑別は難しい。
今や精神分裂病の初期徴候を識別する系統的方法が必要とされているとし、「精神分裂病について、われわれは発症前の治療という夢のような考えを抱いてきたが、これまでは診断装置の性能が不十分で不可能だった」
また「将来は脳の画像診断により精神分裂病の初期徴候が同定できるようになり、最終的には症状に対するアプローチが根本的に変わるかもしれない」との感触を得ており、「この研究から、超早期に特徴的な脳の変化があることがわかる。また、将来発症するかどうかの強力な予測因子となりうるという、脳の画像診断の将来性も示されている。適切な精神分裂病スクリーニング法があって初めて、予防精神医学に現実的な可能性が出てくる」と締めている。

鉛被爆による老化

Neurology(55:1144-1150,2000)
職業上鉛被曝を受けると、約20年後に記憶や学習能力の進行性低下が起きると発表があった。
職場で鉛に被曝した元化学製造業従業員535例と同じ地域の非被曝者118例を比較した結果、「元鉛被曝労働者の平均骨中鉛レベルは、脳の老化を 5 年早めたようであったとした。被験者は 4 年間フォローアップされ、2 〜 4 セットの神経学的検査を平均 1 年おきに受けた。元鉛被曝労働者らは平均 8 年間鉛の被曝を受け、最後に鉛に被曝してから平均16年を経ていた。
研究 1 年目に、血液検査で鉛レベルを測定。フォローアップの受診時、骨中の鉛レベルをX線蛍光分析法で測定した。「鉛のピークレベルが高いほど、元鉛被曝労働者の脳機能低下は著しかった。鉛に被曝しなくなってから十数年後に、脳機能低下が見られたことから、脳に対する鉛の影響は進行性であると示唆される」と報告している。
元鉛被曝労働者らは鉛被曝のために検査の得点がより大きく低下しただけでなく、正常な老化に伴う脳機能の低下も著しかった。視覚運動機能、言語記憶と言語学習、視覚記憶、計画能力と構成能力、そして手の器用さに関する検査で元鉛被曝労働者と他の鉛被曝者との間で有意差が認められた。
「われわれは年を取ると、脳の働きが低下することを知っている。これは一般に“正常な老化”と呼ばれる。研究の大半は鉛のような化学物質がいかに小児を冒すかを検討しているが、今回初めて,成人期の化学物質被曝によって引き起こされる長期的問題が検討された。これまで“正常の老化”と呼ばれてきたもののなかには、中枢神経系を冒す化学物質などに過去に被曝したことによる病態も含まれているのではないか。これは非常に重要な健康上の問題となる可能性がある」と説明している。

精神分裂病にビンロウジの実を

The British Journal of Psychiatry(177:174-178,2000)
将来はビンロウジの実をかむことで、精神分裂病の症状を改善できるようになるかもしれない。
「ビンロウジ(Areca catechu)の実には歯を赤黒く染めること以外の効能がありそうだ」との報告がなされた。
ビンロウジの実は、ニコチン、アルコール、カフェインなどに次いで、世界中で広く用いられている嗜好品である。ビンロウジの実には興奮作用があり、アフリカやアジア,太平洋諸島などでは好んで取り引きされている。
西太平洋のパラオ共和国を研究対象に選んで実験が行われた。同共和国では、国民の70%以上がビンロウジの実をかんでいる。また、遺伝的素因のためにこの島における精神分裂病の発症率は、他の地域と比べて 2 倍も高いことが知られている。
70例の精神分裂病患者を対象に調査を実施。その結果、1 日に10個以上の実をかんでいる患者では、1 個の実もかんでいない患者と比べて幻覚や抑うつなどの症状が明らかに軽いということが判明した。
こうした作用は、ビンロウジの実に含まれているアルカロイドによるものと考えられる。なかでも最も作用の強いarekolinは神経伝達物質であるアセチルコリンに類似しており、ドパミンの産生を抑制することによって効果を発揮するようだ。
今回の調査結果は精神分裂病治療の新たな可能性を開くものであり、臨床試験を実施してその効果を確かめる必要がある。

例のフェニルプロパノールアミン含有製剤について再び

米食品医薬品局(FDA)は全医薬品製剤からフェニルプロパノールアミンを除去する手続きを行い、すべての製薬企業に対しフェニルプロパノールアミンを含有する医薬品の販売を中止するよう要請した。

出血性脳卒中のリスクが増大

FDAは塩酸フェニルプロパノールアミンに伴う出血性脳卒中、すなわち脳内出血のリスクに関する公衆衛生報告を発表した。フェニルプロパノールアミンはうっ血除去作用を有し、咳およびかぜに対する多数のOTC薬および処方薬の 1 成分として、また体重減少を目的としたOTC薬にも使用されている。
これらの医薬品について報告されている有害事象から、この成分が出血性脳卒中のリスクを増大させるのではないかとの懸念が生じた。フェニルプロパノールアミンを含有する薬剤の製造業者はFDAとともに、リスクの増大が認められるか否かを明らかにするための研究プログラムを計画した。エール大学(コネティカット州ニューヘブン)の科学者らが研究を行い、女性でフェニルプロパノールアミンの利用と脳卒中との関連を認めた。体重管理および鼻粘膜充血除去のためにこうした薬剤を服用している女性で、服用開始 3 日後に出血性脳卒中のリスクの増加が認められた。男性でも同様のリスクの可能性がある。
非処方薬諮問委員会は、フェニルプロパノールアミンの利用に関する安全上の問題を討議した。この委員会ではエール大学の出血性脳卒中プロジェクトの結果を検討し、フェニルプロパノールアミンの継続利用は安全とは考えられないと結論付けた。FDAは、フェニルプロパノールアミンを利用した場合でも出血性脳卒中のリスクはきわめて低いが、重篤であるため利用者に対し、代替となるOTC薬や処方薬について健康管理担当者または薬剤師に相談するよう助言している。

下痢には亜鉛の補給を

American Journal of Clinical Nutrition(72:1516-1522,2000)
小児における亜鉛補充に関する10件の治験のメタアナリシスに基づき、発展途上国では下痢の治療に亜鉛補充が有用であるとの報告があがった。
今回の研究において、下痢は発展途上国ではきわめて重大な公衆衛生学上の問題であり、毎年数百万人がそのために死亡している。生存者も栄養障害を残すことが多い。今回の研究は、急性または持続性の下痢から回復するまでの経口補液療法と亜鉛の補充による併用療法の効果を検討している点で重要であるとした。
5 歳未満の小児における亜鉛補充の有用性を評価した10件のランダム化対照試験を分析した。急性下痢の治験では24時間以内の 3 〜 4 回の軟便排泄と定義した。持続性下痢では元の治験の下痢と回復の定義を採用した。
治験はいずれも下痢の水電解質と食事の管理に関する標準的な世界保健機関(WHO)の勧告を用いていた。同研究では調査した治験すべての参加者を性別、年齢、体重身長比および初期の血漿亜鉛濃度に応じて亜群に分類し、各集団における亜鉛の効果を評価した。
その結果、急性下痢の治験で亜鉛の補充を受けた小児は所定の日まで下痢を示している確率が対照群より15%低く、持続性下痢の治験では下痢が持続しているリスクが24%低かった。論文中では、今回のメタアナリシスにより亜鉛はいずれの亜群においても同等の有用性が認められたとしており、この所見は発展途上国では亜鉛はある特定の小集団が必要とするのみならず、広く用いられるべきものであることを示している。
下痢の排泄量、脱水症状の発生率、治療に対する反応性、死亡率などの下痢の重症度の指標に対する亜鉛補充の効果を検討するためには今後の研究を要する。
発展途上国では今後は小児の亜鉛摂取を増加させる方法と同時に、下痢を発症したときに亜鉛を投与する手段に焦点を当てるべきと考えている。

細胞核は古細菌の共生から誕生

生物細胞の核は古細菌(地球上でもっとも古い生命体:100度の熱水鉱床でも生育できるものも存在する)が共生して誕生した事が遺伝子解析により明らかになった。
遺伝子相同性検索により、真核細胞と原核細胞、古細菌を比較した結果、細胞核の遺伝情報は古細胞に近似し、細胞質系の遺伝子は真正細胞(古細菌と同じく、核が存在しない)と類似していた。
これらの結果は、水平移動説(遺伝情報が何度も交換されて進化したとする説)とは相反し、古細菌が真正細菌に共生し、細胞核が生まれ、これにより私たちの細胞を構成する真核細胞が誕生したとの結論に達した。
パラサイトイブのように、ミトコンドリアの共生と同じ手法で細胞が進化していった事が推測できるだろう。

セレーラ社、ヒトゲノム解析結果発表へ

ヒトゲノムをshot gun method(その名の通りショットガンのように不連続な遺伝子配列解析を後に合成する手法)により解析し、全遺伝子配列の構築が終了したアメリカセレーラ・ジェノミクス社などは12日に、解読結果の詳細を発表する運びとなった。
ネイチャーに掲載後は、一般の研究者も解読データをデータベースから引き出せるようになる。

抗てんかん薬の高濃度薬販売中止へ

成分濃度が10倍違う粉薬が2種類あるために調剤ミスを誘発し、医療事故が起きた可能性があるとして、大日本製薬は抗てんかん薬「アレビアチン(フェニトイン)」のうち、原薬に近い「アレビアチン細粒」の販売を中止する方向で検討を始め、厚生労働省との調整に入ったとの事。
私の薬局では2種類置いてないのでそういったミスは今まで一度も生じた事はないが・・・。

インフルエンザ流行の活動性まだ低い

厚生労働省は2日、「インフルエンザ流行の活動性はまだ低い」との見解を発表した。学校集団発生報告では、患者数は昨冬同期の約50分の1という状況にある。
定点観測している医療機関からの報告である「感染症週報」第3週(1月15日〜21日)では、インフルエンザ患者報告総数は2629人、1医療機関(定点)当たりの報告は0・57人。同週報は「流行開始の指標である定点当たり1・0人に達しておらず、現在のところ、インフルエンザ流行の活動性は低い」と分析した。
一方、学校集団発生報告の「インフルエンザ様疾患発生報告」(1月21日〜27日)によると、この週の報告患者数は2410人。累計では4440人で、昨冬同期の21万1847人と比べ、約50分の1となっている。
ただし、インフルエンザは流行が遅れる場合もあるので十分に配慮するべきだろう。

非定型抗精神病薬のセロクエル錠発売

藤沢薬品は6日から抗精神病剤「セロクエル錠」(一般名フマル酸クエチアピン)を新発売した。
同剤はゼネカ社(現アストラゼネカ社)で開発され、すでに世界70カ国以上で承認されているジベンゾチアゼピン系の非定型抗精神病薬。脳内におけるセロトニン5−HT1受容体及びドバミンD3受容体など種々の受容体についてバランス良く親和性を有している。
そのため同剤は、陽性症状だけでなく、従来からの定型抗精神病薬では改善効果が期待できない陰性症状についても、優れた改善効果が期待できる、錐体外路症状の発現率が低く、投与量を増加してもその発現率に増加は見られず、少なくとも単剤使用においては患者の症状に応じて増量を図ることが可能で、クオリティオブライフの向上が図れる、血漿中プロラクチン濃度をほとんど上昇させず、プロラクチン値上昇による副作用の発現は低い、従来からの抗精神病薬に反応不良な患者にも効果が認められているなどの特徴を持つ。
用法・用量は通常、成人にはクエチアピンとして1回25mg、1日2または3回より投与を開始し、患者の状態に応じて徐々に増量する。通常の投与量は1日1回150mg〜600mgとして、2または3回に分けて経口投与する。
同剤は、アストラゼネカ社が昨年12月に承認を取得し2日に薬価収載されたもの。平成10年12月に同社がアストラゼネカ社から独占的販売権を取得しており、従来から精神神経疾患領域で大きなシェアを有して、抗精神病薬としては4剤となる同剤の発売によって、臨床現場において、新たな選択肢を提供できるという見方を示している。
抗精神病薬は、米国など海外においては非定型が主流となりつつあり、定型の薬剤と比べ、副作用が少ないという利点もあることから、「QOLが高まるという観点からも、選択肢が高まる」として、薬価ベースで約500億円前後と見込まれる精神病薬市場への浸透を図る考えだ。
薬価基準は25mg錠が56・30円、100mg錠が199・90円。販売目標は、ピーク時を10年後に見込み100億円の売り上げを目指すとしている。