2001.1.31

モダフィニルのセファロン社がノバルティスと提携

セファロン社はノバルティス社の4製品をイギリスで販売する契約を結んだ。該当品は抗てんかん薬のテグレトール、ADHD治療剤のリタリン、抗うつ薬のアナフラニール、痙縮用剤のリオレサール。
セファロン、ノバルティス両社は、これら4製品及びセファロンのナルコレプシー治療薬のプロピジル(モダフィニル)のイギリスの売り上げで収入を分け合うとの事。

2001.1.29

リアップが女性用として臨床試験中

女性からも要望が多かったため、リアップの発売元、大正製薬では、女性用のリアップを開発しているとの事。
壮年性脱毛症の治療薬であるリアップについて、女性を対象とした臨床試験を始めたと大正製薬が発表した。2003〜2004年の発売を目指す。

インフルエンザ流行の兆しナシ

今年のインフルエンザ発症人数は、去年の同時期と比べ30分の1程度にとどまっている事から、今年はそれほどの流行はないのではないか、と予測されている。

2001.1.25

うつ病にボルナ病ウイルスが関与か 塩酸アマンタジン投与で好成績

うつ病の原因がボルナ病ウイルスの感染であることも、必ずしも珍しいことではないのかもしれない。主としてウマやウシに流行するボルナ病の病原体として知られているこのウイルスは、ヒトでも動物の場合と同様の精神症状を引き起こすようだ。
ロベルト・コッホ研究所(ベルリン)の研究者は、欧州臨床微生物学・感染症会議で「うつ病患者に対して塩酸アマンタジンによる初の治療を試みたところ、良好な成績が得られた」と報告した。
同氏によると、ヒトのうつ病ではこのウイルスがco-factorとして関与している可能性があるという。健常者の 2 〜 3 %からボルナ抗体が検出されるが、急性増悪期のうつ病患者の約50%からはウイルス抗原が検出される。さらに、感染力を有するボルナ病ウイルスをうつ病患者から分離することにも成功しているという。
2 つの公開治療研究で、ボルナ病ウイルス陽性の急性期うつ病患者約60例を対象として12週間にわたり塩酸アマンタジンを投与した。その結果、注目すべきことに反応率は70%にも達した。奏効群では、同薬の投与終了後、抗うつ治療を行っていなかったにもかかわらず、少なくとも半年間は再発が認められなかった。この成果を確認するため、現在33例の患者を対象としたプラセボ対照二重盲検試験が進行中である。
同氏は「すべてのうつ病患者に抗ウイルス薬を投与する根拠は今のところまだない」と早急に結論を下すことには慎重であるが、「うつ病ではボルナ病ウイルスが重要な役割を演じている」と確信している。「このウイルスの作用スペクトルはきわめて広く、大脳辺縁系にとどまって神経伝達物質の放出に影響を与え、あらゆる種の動物で同様の症状を生じさせる。ヒトのみが例外であると主張する根拠はない」とした。

高齢者のウエートトレーニング:筋力強化と心血管系の改善が可能

Journal of Gerontology(55:B347-354,2000)
60歳以上の男性は激しいウエートトレーニングによって筋力を80%増すことが可能であり、筋力を増す速度は20歳代の男性と変わらないと発表された。
研究によると、60〜75歳の男性18例を高強度のレジスタンストレーニングプログラムに参加させたところ、16週間のプログラム終了時までに筋力が平均して50〜80%増加した。筋力、有酸素能力、およびコレステロールプロフィールの改善も認められた。研究前に重量挙げを行っていた参加者はいなかった。
研究は数十年にわたって全年齢層の男女で運動効果の研究を実施してきた。今回の報告はその最新知見の一部。大学生の年齢の男性で行った研究の結果と今回の結果を比較すると、筋力と筋サイズの変化は両年齢群で同等であった。同研究者は「レジスタンストレーニングによる筋力強化に、年齢制限はないことを示唆する数多くの研究プロジェクトが長年発表されている。高齢になっても一定の筋量を維持することの重要性が明らかになった」とコメントした。
今回の研究は、高齢男性は長期間ヘビートレーニングが可能であることも示している。参加者は全例が健康であり、検査中もトレーニング中もモニターされた。トレーニングとして、レッグプレス、ハーフスクワット、レッグエクステンションを週 2 回行い、下体の筋力強化を目指した。研究開始時、平均で約375ポンド(約170kg)のレッグプレスが可能だったが、16週後、約600ポンド(約272kg)のレッグプレスが可能となった。他の研究では短期間,低強度の運動が中心であった。
ウエートトレーニングを行うと、筋力強化に加えて心血管系にも効果のあることが認められた。トレッドミルテストではウエートトレーニング後、体が酸素をより効率的に利用するようになったことが示された。同研究者は「完全に疲弊するまでの走行時間がレジスタンストレーニング後、延長した」と説明した。ウエートトレーニングの前後に採取した血液サンプルも、HDLコレステロールの上昇やLDLコレステロールの低下など、コレステロールプロフィールの全般的改善が認められた。
同研究者は「高齢者が筋力を失うことはまれでない。この研究は、運動不足がそうした問題を引き起こすことを示唆する」と指摘。「運動不足は間違いなく筋量減少の一因としての役割を果たす。運動によって一定レベルの筋力を維持できれば、高齢者のQOLは向上するに違いない」と述べた。
同准教授は、ウエートトレーニングを開始する前に医師の診察を受けるように助言し、ウエートトレーニングの技術を学ぶのも大切である、と付け加えた。

赤ワイン、心臓病予防は科学的に未証明

赤ワインが心臓病を防ぐ事は、科学的に実証されていないとして、アメリカ心臓協会は医師向けに通達を出した。科学的に証明された予防法を患者に勧める事などが記載されている。

2001.1.4

新作用の抗うつ剤、大正製薬、ヤンセンと開発へ

大正製薬は、ベルギーのヤンセン・ファーマシューティカと新しい作用を持つ抗うつ剤の共同研究・開発契約を結んだと発表した。開発する抗うつ剤は脳内のコルチコトロピン・リリーシング・ファクター(CRF)受容体と呼ばれる部位に作用する。CRFは心身のストレスに関係して分泌されるといわれる物質(コルチコイドと呼ばれるステロイドホルモンの一種の放出を促進するホルモンがCRF)。なお、治検番号はT4535。

カスパーゼ阻害剤の神経保護効果を示す(カスパーゼは、アポトーシスに関連する酵素)

カスパーゼ阻害剤が、中枢神経系(CNS)をダメージから守る効果を持つことを示す2件の実験結果が得られたことが発表された。実験に用いたのはペプチドを模した、新たな種類のカスパーゼ阻害剤。(カスパーゼの活性が上昇すると、アポトーシスが促進するという論文が多数あり、現在トピックでもある分野。詳しく述べると、カスパーゼは多数種類が存在し、カスパーゼ8はカスパーゼ3及び8を活性化、さらに活性化した3によりカスパーゼ6(これがメインらしい)が活性化し、カスパーゼ3はDNAを壊し、細胞膜を破壊、カスパーゼ6は細胞周期(分裂など)の破壊などを担う。プロテアーゼカスケード(蛋白分解連鎖反応)の一つ)

小太りの原因遺伝子発見

日本人によく見られる軽い肥満に関連する遺伝子が発見された。太り気味の体質が遺伝するしくみの解明、肥満を防ぐ生活指導に役立つと見られている。
成人より遺伝要因の影響を受けやすい15歳以下の小中学生を対象に、遺伝子の変異と、肥満との関連性を調査して研究が行われた。
その結果、肥満度を示すBMI(Body Mass Index)が25を超える肥満の187人のうち、12人(6%)に、shp遺伝子の変異が見つかった。肥満ではない203人の健常人には、こうした変異がまったく見つからなかった。変異がある子は産まれたときの体重も重い傾向があり、胎児期からの成長に遺伝子が関与している可能性も示唆している。
これまで、欧米の研究所から数種類の肥満関連遺伝子が発見されているが、いずれもBMIが30を超えるようなハードな肥満に関連するものばかりだった。日本にはBMIが25〜30程度の軽度肥満で悩む人が多い。
研究者は、この遺伝子の変異があっても深刻なものではなく、生活習慣病のリスク因子の一つだろうと考えている。食生活や環境の改善などで、十分成人病等のリスクを軽減させる事ができるのでは、と述べている。

赤ちゃん産むなら葉酸を。1日0.4mg摂取、厚生省呼びかけ

二分脊椎や無脳症などの神経管の先天性疾患を防止するため、厚生省は妊娠可能な全女性や妊娠を望む女性に、ビタミンBの1種で緑黄色野菜や豆などに多く含まれる葉酸を、食品や栄養補助剤で1日当たり0.4mg摂取するよう呼びかける方針を決めた。

1日3リットル以上の飲料摂取に黄信号:尿路癌の発症リスクが上昇

水やジュース・牛乳・ビールなどを毎日3リットル以上摂取すると、尿路癌のリスクがおよそ3倍も上昇するという。
Das Gesundheitswesen(62:270-274)によれば「特定物質への職業上の曝露や喫煙が尿路癌の発症リスクを高めることはよく知られているが、今回実施したケースコントロール研究の結果、飲料の大量摂取もリスク上昇を招く恐れがあることがわかった」と報告している。
この研究では、飲料の摂取、喫煙、鎮痛薬や下剤の服用といったライフスタイルにおける特定の要素が尿路癌の発症にどのような影響を及ぼすかを調べた。研究に協力したのは647例の患者で、その大半は膀胱癌であったが、腎盂癌と尿管癌の患者も若干含まれていた。年齢・性別を一致させた647名の対照群を設けて比較検討を行ったところ、喫煙群ではリスクがおよそ3.5倍に上昇していた。水やジュース・牛乳・ビールなどの冷たい飲料を毎日3リットル以上摂取する群でも、リスクは約3倍に上昇していることが確認された。また、器械的下剤を服用している群では、尿路癌リスクは2.5倍に上昇していたが、鎮痛薬の服用による影響は認められなかったという。
某雑誌のお得意様は水2リットル飲めとか言っていたが、、、暖かい水に限るのか?

嗅覚検査によりアルツハイマー病発症をより正確に予測

American Journal of Psychiatry(157:1399-1405)
研究によると、においを同定する簡単な検査は軽度の認識障害を持った患者がアルツハイマー病を発症するかどうかをより正確に予測するのに役立つかもしれない。
軽い記憶障害および軽度の認識障害を持った90例(平均年齢67歳)の男女に15〜20分の“引っかいてかぐ”検査を行った。被験者は、ハッカ、ピーナッツ、石けんなど40種類のはっきりと区別できるにおいをかいだ。それぞれのにおいは、マイクロカプセルに封じ込まれ、それぞれ別々に分けられていた。カプセルを引っかいて開けた後、その中身のにおいをかぎ、おのおのの被験者はそれぞれのカプセルに付けられた 4 つの選択肢のリストからにおいを同定した。
その検査の点数が高かった30例の被験者には、平均20か月の追跡期間中にアルツハイマー病を発症した者はいなかった。しかし、軽度の認識障害を持っていてこれらの香りや臭気を同定するのが困難であった47例のうち19例は、追跡期間中にアルツハイマー病を発症したことがわかった。その19例中16例は検査の時点では嗅覚は正常であると申告していたが、点数は低かった。
この知見は、においを識別できないことと、嗅覚の障害に気付いていないことが重なるとアルツハイマー病の徴候とみなせるかもしれないことを示唆している。なお、この研究に参加した90例の被験者のうち残りの13例は、論文の発表時点で追跡調査を完了していなかった。

睡眠は早期から健常男性の内分泌に影響を及ぼす

JAMA(284:861-868)
健常男性において加齢は深部徐波(SW)睡眠および成長ホルモン(GH)の放出に影響を及ぼし、成人初期から中年期にかけて最も大きく減少するが、レム(MT,CD-ROM)睡眠、睡眠の断片化および視床下部‐下垂体‐副腎(HPA)機能に対する加齢の影響は遅く、中年期から老齢期にかけて変化すると報告されている。
睡眠で内分泌系が変動
睡眠は特に下垂体依存性ホルモン分泌などの内分泌機能を大きく左右する。日内のGH放出の60〜70%は睡眠早期に生じ、SW睡眠と関連している。一方、HPAはSW睡眠初期に急激に抑制され、部分的睡眠剥奪によっても次の夜間にコルチゾル値が上昇する。これらから、成長や副腎皮質機能における加齢による変化は、一部は睡眠の質の低下を反映していると考えられる。
同研究では、1985〜99年間に 4 か所の睡眠研究所で健常男性149例を対象に行われた一連の研究データを調査している。被験者の年齢は16〜83歳、体重は正常であった。被験者には睡眠障害はなく、内分泌疾患や精神疾患、睡眠障害の既往もなく薬剤も服用していなかった。132例から睡眠プロフィールが、124例からコルチゾルプロフィールが、114例からGHプロフィールが得られている。94例では睡眠、コルチゾルおよびGHのプロフィールが同時に得られている。
加齢でSW睡眠とGH分泌が減少
データを調査したところ、総睡眠時間は加齢とともに著明に減少し、中年以降に有意に減少した。加齢はさまざまな睡眠パラメーターに影響を及ぼし、SW睡眠の割合は成人初期(16〜25歳)の18.9%から中年期(36〜50歳)の3.4%まで減少した。
起きている時間は変化することなしに浅い非レム睡眠が増加することによって代償されている。起きている時間の増加とレム睡眠の減少は中年期以降に有意であった。第1期および第 2期睡眠は51〜60歳男性では60.5%であったが、70歳を超えた高齢者では50.6%まで減少した。
また、加齢がGH分泌に対して有意に作用することが見出され、若い成人から中年期にかけてGH分泌はほぼ75%減少し、中年期から老齢期にかけてもわずかではあるがさらに減少した。
コルチゾル値は若齢男性,高齢者ともに早朝に上昇し、日中は低下して夜間は分泌が止まった。夕方と夜間早期における年齢差が最も顕著であった。加齢に伴い夜間の最低値は上昇したが、朝の最高値は年齢を通じて一定であった。
睡眠の質を向上させる方法がホルモン作用に有用かどうかについてはさらなる研究を要するだろう。
同研究は睡眠‐内分泌機能に対する年齢の影響についての重要で新しい情報を提供している。縦断的研究でこの所見を確認することに大きな関心が寄せられるだろう。女性や虚弱な高齢者などの集団についても研究する必要があるのは確かである。

司法的観点も必要と法相:精神障害者の措置入院

責任能力がないため、殺人などの事件を起こしても刑罰を科せられない精神障害者の処遇について、保岡興治法相は十七日の閣議後会見で「被害者を含めた社会の関心に十分こたえるため、医療の判断に司法的判断を加えることも検討してよいのではないか」と述べ、措置入院の期間などを決める際に刑事司法の観点も必要との考えを示した。
同法相はさらに「一般の病院では保安上の問題もあり、専門的な施設も必要」と述べた。既に法務省刑事局に具体的な方法の検討を指示。厚生省にも協議を呼び掛ける方針。
精神保健福祉法に基づき、精神障害者は自分を傷つけ、他人に害を及ぼすことが明らかな場合、都道府県知事が措置入院させることができる。事件を起こした精神障害者も同様。入退院の決定や入院期間などは医療機関の診察に任されているが、事件の被害者らからは処遇がどのようにして決定され、どうなるのかが明らかではないなどの指摘が出ている。
法務省は今回の検討作業について、以前導入を検討した、禁固以上の刑に当たる事件を起こし、再犯の恐れがある精神障害者に対し、裁判所が保安施設への収容を命じる「治療処分」を想定したものではない、と説明している。

ACE阻害薬が「不安」を軽減

各種降圧薬を用いた降圧治療が心理、行動特性に及ぼす影響をアンケート調査により比較検討し、ACE阻害薬が「不安」の軽減に有効である可能性を報告した。
β遮断薬も「状態不安」を抑制
対象は、WHO I、II 期の本態性高血圧症患者計569例で、(1)薬物療法群395例(2)非薬物療法群64例(3)未治療群110例だった。(1)、(2)の治療群では、ともに調査前二ヶ月間は治療法の変更がなかった。
調査は、随時血圧を外来受診時に坐位で測定。「状態不安」「特性不安」「タイプA」「仮面うつ」「不適応」「うつ」「過敏」「怒り」「緊張」の各心理・行動パターンと各身体愁訴について、質問紙を自宅に持ち帰って回答してもらった。なお、「状態不安」は調査時点での不安を反映するものであり、「特性不安」は性格的な不安傾向を反映するという。
各群のパラメータを比較すると、薬物療法群では未治療群に比べ、「状態不安」「不適応」「不安」「怒り」の指標が有意に低かった。一方,非薬物療法群との比較では、「状態不安」のみが有意に低値であった。この結果から、降圧治療が高血圧症患者の心理状態を改善すること、薬物治療はとりわけ「状態不安」の改善効果を有する可能性が示唆された。
そこで、薬物療法群を対象として各心理・行動指標を目的変数、血圧、年齢、性、各種降圧薬の使用の有無を説明変数としてステップワイズ法による重回帰分析を行った。その結果、ACE阻害薬の使用は「状態不安」「不適応」「不安」「怒り」の指標に対し、有意な抑制効果を示した。また、β遮断薬も「状態不安」を有意に抑制した。
身体愁訴を目的変数とした重回帰分析の結果からは、ACE阻害薬が「皮膚、神経」「疲労度」の愁訴を有意に抑制することも判明した。

記憶の低下感、中高年の8割・・・日本ベーリンガーインゲルハイムのアンケートによる

集中力や記憶力の低下を感じ始める年齢は40代前半と50代前半に集中していることが、日本ベーリンガーインゲルハイムの中高年のアンケート(40代から60代の女性300人、50代、60代の男性200人)でわかった。集中力の低下を感じたことがある人は約75%、記憶力の低下は約85%だった。
ますますスマートドラッグ時代の到来を感じさせるアンケートになっているようですね。

ED:健常男性における性機能低下の現状

健常男性を対象とした性機能調査で28%がED改善薬の処方を希望している。高齢化社会到来を背景に、人間ドックの役割も大きく変わりつつある。健康異常の早期発見はもとより、疾患予防や健康増進、さらにはQOL向上に対するサポートも重要な要素とされるようになり、今後の医療の重要な位置を占めるものと考えられている。
このようななか、第41回日本人間ドック学会では「21世紀の生活習慣病対策の変革─潤いのある健やかな人生を目指して」をテーマに、QOLを見据えた人間ドックにおけるさまざまな調査成績が報告された。
ここでは、とりわけ衆目を集めた健常男性における性機能調査報告を紹介する。
これまで、糖尿病や高血圧症患者を対象とした性機能の調査成績は散見されるが、健常者を対象とした調査はほとんど実施されていない。今回、人間ドック受診者を対象に、性機能に関するアンケート調査を実施し、日本人男性における勃起障害(ED)の現状やED改善薬の需要について検討した。
ED改善薬の処方を希望する日本人男性は約1,025万人と推計されている。人間ドック受診3人に1人がED治療を希望しているとのデータも。
調査対象は、2000年 4 月〜 6 月に同センターの人間ドックを受診した男性655人で、474人から回答が寄せられた(アンケート回収率71.3%)。回答者の年齢は24〜85歳、平均55歳であった。
性生活の満足度に対する質問では、「満足している」と回答した人の割合は、40歳未満36%、40歳代47%、50歳代52%、60歳代41%、70歳以上34%を占め(全体平均45%)、50歳代をピークとする山型になっていた。
セックスの回数、ならびに勃起の持続については、年齢の上昇とともにセックス回数は減少し、勃起持続も不充分となる割合が増加した。これを性生活満足度との関係で見たところ、セックス回数が少ないほど性生活満足度も低く、勃起持続が不充分なほど性生活満足度も低い傾向が明らかとなった。
ED改善薬の使用希望については、性生活満足度が高いほど使用希望が少なく、性生活満足度が低いほど使用希望が強かった。さらに、ED改善薬の使用希望を年齢層別に検討した結果、使用を希望する人の割合は消極的な希望も含めると、40歳未満24%、40歳代29%、50歳代28%、60歳代28%、70歳以上35%となり、平均28%であった。
一方、不要あるいは使用を希望しないと答えた人の割合は各年代ともほぼ50%であった。
ED改善薬をどこで処方してもらいたいかを尋ねた項目では、総合病院が42%で最も多かったが、人間ドックも28%に上り、人間ドックで処方を希望する人の割合は、40歳未満18%、40歳代21%、50歳代27%、60歳代35%、70歳以上47%と、年齢が高くなるにつれて増加していた。
以上の結果から、ED改善薬の処方を希望する日本人男性を約1,025万人と推定。うち人間ドックでの処方希望者が約284万人に上ると推定される。

小中学生の1/3、いつもイライラ。総務庁調べ

小中学生の3人に1人が「小さなことでイライラすることが多い」−−。総務庁は、小中学生とその保護者を対象とした「低年齢少年の価値観等に関する調査」をまとめた。非行の低年齢化や「きれる子供」の増加が指摘されているが、日常的に不安定な精神状況に陥っていることが判明する結果となった。

大人3割「1年運動してない」、54%がストレス、総理府調べ

総理府が発表した成人を対象とした「体力・スポーツに関する世論調査」で、過去1年間にスポーツをしなかった人は約3割。肉体的な疲労を感じている人は64.5%、精神的な疲労ストレスを訴える回答も54.6%あった。調査は今年10月、20歳以上の男女3,000人を対象に実施。

注意欠陥・多動性障害:塩酸メチルフェニデート治療率に格差

調査によると、某外国の小学校の生徒約 3 %は、学校にいる間注意欠陥 ・多動性障害(ADHD)治療のために、塩酸メチルフェニデートをおもに服用している。
Pediatrics(106:533-539)に報告されたこの調査結果は、少数民族の小児と、特殊教育を受けながらADHD治療薬の集中服用をしている小児との間に、著しい治療率の格差があることを示唆するものであるという。
特殊教育受ける者では6倍との結果も
ジョンズホプキンス小児センター小児科精神科では、アフリカ系米国人、ヒスパニック、アジア人の小中高生が受けるADHD治療は、白人生徒の約半分であるという知見に注目した。人種格差は年齢とともに広がり、高校までにはアフリカ系米国人生徒の治療率は白人生徒の 5 分の 1 である。
これは、アフリカ系米国人とヒスパニックの小児は白人の小児と比較すると、受けられる治療が少ないという長期の観察に関連する。家庭の平均収入よりも、人種の違いがADHDの薬物治療率に多大な影響を与えるとの結果。
また、全生徒数の約13%に当たる特殊教育を受けている生徒は、普通教育を受けている者と比べてほぼ 6 倍ものADHD薬物治療を受けている。全体で 2万4000人近いADHD薬物治療を受けている生徒のうち、45%は特殊教育を受け、さらに 8 %は基本的な生活をするのに支障があり、学校生活では教師による補助が必要と認められた者であった。
関連した所見として、塩酸メチルフェニデートはADHD処方薬の84%を占める。この小学校では、処方率に5倍の格差があった。女子の処方率は男子を大幅にしのぎ、治療薬の 3 %はナースプラクティショナー、63%が小児科医、11%が精神科医によって処方されている。

加齢に伴う食塩味覚低下(ATII 2型受容体遺伝子(血圧に関与する遺伝子)多型の関与を示唆するデータ)

老年者では食塩味覚低下による食塩過剰摂取が高血圧易発症に関与している可能性があるが、食塩味覚と老年者高血圧発症に対する遺伝的素因について調査し、アンジオテンシン(AT)II 2 型受容体遺伝子多型の関与が示唆されることが明らかとなった。
C3123A多型間で有意差が存在
方法は、65歳以上でMMS(Mini Mental State Examination)24以上の非痴呆189例を対象とし、血圧140/90mmHg以上または長期降圧薬療法を受けている109例を高血圧症と診断し、血圧関連因子の遺伝子多型について検討した。味覚閾値は若年者50例をコントロールとして、鹹味、甘味、酸味および苦味を濾紙法を用いて 6 段階で評価、血圧は自由食塩摂取時と 7 g/日食塩制限4週間後に測定した。なお、味覚異常をもたらすACE阻害薬およびAII受容体拮抗薬投与例は除いた。
まず、高齢者では若年者に比べ、4味覚が有意に障害されており、さらに高血圧群では非高血圧群に比べ鹹味のみ有意に障害されていた。そこで、鹹味味覚障害度と食塩制限による血圧降下度との関係を見ると、食塩制限4週間後の収縮期および拡張期血圧ともに、その降下度と鹹味障害度との間に有意な相関関係を認めた。
次に、鹹味味覚と遺伝子多型との関係について、ATII 2 型受容体遺伝子C3123A多型で検討したところ高血圧群で男女ともに遺伝子多型間に有意差が認められた。特に女性のAA型ではCC型に対し,男性のA型ではC型に対し食塩濃度に換算して約 3 倍の鹹味味覚障害が認められた。C3123A多型と食塩制限による血圧降下度との関係では、高血圧群、非高血圧群ともに遺伝子多型間に有意差は見られなかった。
以上の結果からATII 2 型受容体遺伝子多型が加齢に伴う食塩味覚の低下に関与する可能性が考えられる。

PPARγが血圧調節に関与している(肥満や脂質代謝に関与する受容体であると言われてきた)

ノックアウトマウスの解析によりステロイドホルモン核内レセプタースーパーファミリーの 1 つであるperoxisome pro-liferator activated receptor(PPAR)cが、血圧調節に関与している可能性のあることが示された。

血管内皮機能が異常

PPARは血管内皮細胞に存在し、フィブラート系薬剤、チアゾリン系薬剤、プロスタグランジンなどと結合、さらにretinoid X receptorなどと結合して安定な二量体をつくり、さまざまな遺伝子の発現調節に関与している。PPARの 1 つ、PPARcは特に脂肪細胞の分化、レプチン合成の抑制、インスリン抵抗性の改善、血圧下降などに関与する可能性があると見られている。(ここは友人の専門分野なので紹介してみました)
最近、PPARcのdominant negative mutation(優性遺伝だが負の影響を及ぼす変異:普通負の影響を及ぼす遺伝子は、劣性遺伝である事が多い。すなわち、2本ある遺伝子の両方に変異がないと症状が現れないのが劣性遺伝であり、片方にあるだけで影響がある遺伝を、優性遺伝という)を有する家系が発見され、その家系では若年発症の高血圧と重症の糖尿病が認められることが報告されたが、高血圧発症のメカニズムは明らかにされていない。また,PPARcは動脈硬化になんらかの影響を及ぼす可能性が指摘されているが、血管への影響については不明な点が多く残されている。
そこで今回、PPARγノックアウトマウスを用い、その血管内皮機能、血圧異常などを解析した。PPARγノックアウトマウスは、PPARγのexon1(転写されてタンパク質になる)部分をネオマイシン(抗生物質:後で処理がしやすいようにネオマイシンを使っている。よくノックアウトマウスで使われる手法である)耐性遺伝子で置換して作製した。そのヘテロ接合型(片方の遺伝子だけ変異を入れたもの)では野生型に比べて、PPARγの発現がほぼ半分に低下していた。(すなわち、dominant negativeが立証された)
PPARγノックアウトマウス(ヘテロ接合型)を野生型と比較したところ、収縮期血圧が高いこと、アセチルコリンを用いた内皮依存性血管弛緩反応により判定した血管内皮機能の障害が認められること、全身的に一酸化窒素(NO)産生が低下していること(血管弛緩作用が弱まっている)、尿中ノルエピネフリンが増加していることが明らかとなった。血管内皮機能の障害は、NO合成阻害薬(L-NAME:アミノ酸からNOを作り出す酵素の阻害剤)により完全に阻害された。
これらの成績から、PPARγノックアウトマウスでは血管内皮機能の異常があり、またカテコールアミンの増加が血圧上昇に関与していると考えられ、PPARγが血圧調節に関与している可能性が示唆されたと考えられる。
PPARγは今後も研究が進んでいく事でしょう。ちょっと友人がうらやましかったりする。

赤シソエキス、目のかゆみ抑制

日本の研究グループが、赤シソのエキスに花粉症による目のかゆみを抑制する効果があることを突き止めた。赤シソエキスの中の特定の成分(ロスマリン)の濃度を上げると花粉症の症状を全体的に緩和させる効果が強まることも確認された。

IgE抗体が遅発性アレルギーに影響している

慢性アレルギー疾患のモデル動物を用い、IgE抗体が即時性のアレルギー反応だけでなく、遅発性アレルギー反応にまで関与していることを見いだした。今後のアレルギー治療への貢献が期待される。

エコノミークラス症候群、デスクワークでも

旅客機のエコノミークラスのような狭い所で長時間座り続けると血の流れが悪くなり、ひどい場合は血栓による突然死を招く「エコノミークラス症候群」が、日常生活でも起きる恐れのあることが報告された。

Drug company says no evidence of Zyban stroke link

Glaxo Wellcome Plc said there was no evidence that Zyban--taken by patients trying to stop smoking--caused stroke, despite reports of some patients being affected while on the medicine.
The UK's Medicines Control Agency, which is responsible for drug safety, has recorded some 1,300 cases of users who have experienced side effects while taking the drug, including seven who suffered strokes, since Zyban was launched in Britain in June.
日本での治験進行過程にどう影響するか心配ですな。

メチレンブルーで持続勃起を治療

工業用の染色剤としてよく使われるメチレンブルーは、持続勃起に対する安全でしかも効果的な救急治療薬でもあることが証明されたとの報告。
例えば、海綿体自己注射療法の結果として生じうる疼痛を伴う持続勃起に対しては、組織の損傷を回避するために迅速に効果的な処置を施す必要がある。最近、メチレンブルーが内皮細胞介在の海綿体弛緩を強力に阻害することがわかったため、この色素を持続勃起の患者に適用することを思い立った。性機能は損なわれないそうである。
薬剤によって平均 4 時間半にわたり勃起が持続している患者12例を対象に、メチレンブルー 5 mlを海綿体に注射。5 分後に色素を再び吸引、その後5分間陰茎に圧迫を加えた。
その結果、患者10例ではこの色素療法は優れた成果をおさめたが、既に前治療を受けていた残り2例には効果がなかった。
おもな副作用は一過性の陰茎の灼熱感と、予期されたことではあるが注射後に陰茎が青く染まったこと。治療群のその後の勃起能力への悪影響は認められなかったという。
ちなみにメチレンブルーといえば、金魚の皮膚病治療薬ではなかったでしたっけ?

精神分裂病の関与遺伝子を特定(ちょっと古いネタですが)

精神分裂病発症の一因と見られる2つの遺伝子の特定に成功したことが報告された。研究チームは、長年精神分裂病やその他の精神病に苦しめられてきたあるスコットランド人一族を30年間に渡って調査した結果、この遺伝子を発見した。
研究チームは、研究対象となった一族のほとんどが、23組あるヒトの染色体のうち第1染色体上に位置する遺伝子の2つに欠損を持つことを突き止めた。この一族の中でこの欠損遺伝子を持つ人の半分が精神分裂病(schizophrenia)を発病していることから、問題の遺伝子を『DISC1』(Disrupted-in-Schizophrenia 1)および『DISC2』と名付けた。精神分裂病は重度の精神障害で、幻聴や幻覚、精神状態や行動の異常が特徴。少し前に、カナダの研究者が、精神分裂病の原因と考えられるいくつかの遺伝子が存在する「だいたいの位置」を特定したと発表していた。
この最新の発見は、将来に希望の光を点じるものとして期待を集めているが、精神分裂病についての遺伝子学的研究はまだ始まったばかりで、他の原因遺伝子を見つけるための努力は依然として続けられている。今の段階では、その原因遺伝子が5、6個程度なのか、あるいは5、60個になるのか全く予測はつかないと研究者は語る。
精神分裂病は通常、思春期の後半もしくは成人後早い時期に症状が現れはじめる。専門家によると、アメリカとカナダでは人口の約1%がこの病気にかかっており、精神病としては鬱(うつ)病に次いで多い。